透明思考

ささやくようなビョークの歌声が
地下鉄の騒音にかき消される
あなたの歌う言葉を
こんな世界のハジにいる僕は
理解することができません

隣のつり皮にぶら下がる恋人たちが指をからませる
僕はひとりで
人生で何百本目かの終電の
混雑にもまれながら
言葉と酸素と与えられた人生を
浪費している

ほしくてたまらないのに
それがなんなのか
ずっとわからないまま
僕は

僕は
僕は