4年半ぐらい経ってますが、なんとなく、こっちに移動してみた。 http://fictions.hatenablog.jp/

選択肢は常に三つある

選択肢は常に三つある。 肯定 否定 なにもしないなにもない、ということはなにもないこと。 ある人物に対し、好意を持つ、あるいは、嫌悪を抱く。どちらかしかない、と思いがちだが、実際にはもうひとつの選択肢、無関心、がある。 好きだと思う場合は当然と…

フラットな格差社会

格差がひろがっている、ということが言われ始めて久しい。中には、もの心ついたら、そんな社会だったという人もいるかもしれない。けれども、わたしが子どもだった頃のことを考えてみると、30年以上前だが、普通の人はもっと貧乏だったし、お金持ちという…

リアル指向

普段、テレビを見ていないのだが(というかそもそもテレビにアンテナがつながっていないしコンセントも刺さっていない)、実家に帰ったおかげてTVを見た。幸い、ほとんどがオリンピックか高校野球で、これらの番組は、昔からキライだったし、とくに番組に変…

カードゲーム

5枚のカードが配られる。ランダムに。 一枚ずつ、それを自分の場に置いていく。 一枚、カードをおくたびに、チップを一枚賭けなくてはならない。 そして、カードは必ず、直前におかれたカードよりも優れていなくてはならない。けれども、何が何よりも「優れ…

木村敏「分裂病と他者」

「分裂病になる人は、子どもの頃から「いい子」だったと言われることが多い。現在私が診ている二一歳の女性は、中学生までは明るい人気者で、「人の悪口を絶対言わない、嘘は絶対につかない、誰にでも親切」という三つの際立った特徴を持っていたという。こ…

「覆いとしての絵画」内田樹の研究室より

内田樹の研究室より http://blog.tatsuru.com/2008/07/25_1240.php - 古代ギリシャにゼウキシスとパラシオスという二人の画家いた。 どちらがより写実的に絵を描けるか、その技術を競うことになった。まずゼウキシスが本物そっくりの葡萄を描いた。 絵があま…

あまりにも長い休暇のため、旅行にはいけないことになる。 死する魂に、私は最高の侮辱をもって迎える。 高濃度のアルコールに舌を焼かれ、二日酔いの乾きは涙で癒す。 おのれの無力さを知れ。 そして、生きるために、偽るものの数を数えよ。

圧倒的に非情になりつつある自分を感じる。 何事も、自分とは関係ないものとして感じ始めている。 もちろん、仕事はこなす。やらねばならないこと、やるといったことはやる。 けれども、自分のなかで、その優先順位が落ちていく事を感じている。 他人にはわ…

今日は車検。子供を送ったあと、9時半までの30分を車でぐるぐる回る。ほんとはマクドナルドとかそのあたりでコーヒーを飲もうと思ったけれども、見つからず、結局スリーエフでハンバーガーとコーラを買って、駐車場の車の中で食べる。車の中はとんでもな…

私が広告を嫌うのは、それが基本的に、欠落をことさら取り上げて、見せつけるものであることにある。 広告は、物を売ることが目的として作られる。 人に対して、それが買いたいと思わせるために作られる。 何かが欲しい、何かを買いたい、買うことで何かを満…

私たちは働かなくていい おそらく約半数の人間は なにもしなくても 食っていける 生きて行くために 必要なこと 食べること 住むこと 着ること ほかにも 移動し 治療し いろいろと楽しむこと も必要だろう けれども それ以外のものに 私たちは お金を使ってい…

つまらない仕事など ない と 考えることができる他人がそれをつまらないことだと 考えていても 見方によっては あるいは工夫次第では 面白くも 楽しくもなるどうしたら早くできるか 美しくできるか ライバルに勝てるかそんなふうにすれば なんだって楽しくな…

決して僕をお赦しなさいませぬよう

降り出した雪が 僕の肩に積もってゆく 街を白く染めながら 雪は静かに舞い落ちてゆく 捉えられない思いを抱えながら 僕は白い雪に 足跡をつけてゆく ひとりぼっちだということ ひとりぼっちじゃないということ 傷つけてしまうということ 傷つけられてしまう…

わたしでないものに わたしは わたしでないものに かえられていく みどりいろのひとと てをつなぎ わたしのては みどりいろに かわっていく しろいへやにはいり わたしのひとみは しろいいろに そまっていく しんぞうをつかめ その いきのねを とめろ ひはん…

暗闇に沈ませる 言葉を 僕は 忘れてしまった 君が 通り道に 置き去りにした 言葉を やさしく 拾い上げて 僕らは 誰にも気付かれないように 小さな物語を 囁いた 夢のように 美しく 踊るように 甘い 物語の 続きを 語ることなく 僕らは 暗闇に 葬ってしまうは…

わたしがどんなに賢いかということを わたしはあなたよりもすごいのだということを わたしはあなたとは違って思慮深いということを わたしはたくさんあなたのしらないことを知っているということを 書く。 毎日。毎日。 私はそのことがとてつもなく恥ずかし…

観るものがみな 愛にあふれている として この空白は いま、 擦れ違っていく いつまでも 遠くからみるばかりの 出逢い 一方的な、 皮膚の内がわを 無数の微小な虫がなぞるように じっとしていられない ぼくは、 弱くあることのほうが 優しい 迷い ためらい …

幻の獣

ある男が雪山に立ち こう叫ぶ 私は見たのだ! その巨大な人影を! また ある男が写真を手に持ち 街路の真ん中でいう この黒く長い首を見よ! わたしは黙っている 深夜 やってくる 小人たちのことを 毎夜 踊り 歌い 嘆き悲しむ 小人たちの 演じる 物語のこと…

雪眠る

白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく 白く染まる 踏みつけていく しんしんと しんしんと しんしん…

パンドラの箱をあけて 驚愕する君 誰にも知られないように 上手に夢を語らなくてはならない 希望に満ちあふれた世界 雲一つない空から 目映いばかりの光が注ぐ 隙間だらけの この身体に 石とも波とも知れぬものが 砕け散る 君から砕け散る破片を 僕は受けと…

GarageBandでSpoken Words

タイトルに横文字がならんでいますが、若干、そっち系です。 前々から,朗読してみたいとは思っていて、でも、素はちょっと恥ずかしいので、Macを買ったときについていたGarageBandにはリズムパターンがついていたはずなので、それをループさせたのに、合わ…

やがて狂うべき時がやってくる すべての人々と混じりあえる日が / わたしの選択はまちがいではなかった 恋することなど まったく問題ではなかった / あらゆる出来事がくりかえされていく 殺人鬼は毎日人を殺し 小学生は毎日教科書を朗読する お願いだから …

むしろ人間の弱さについて わたしたちは語るべきではないか / そのケモノとしてのあり方について 涙を隠した上で もうすこし 語り合うべきではないか / 白い雪が 美しく荒野を彩るように わたちたちもまた 自らの弱さを 美しく形作ることが できるのだから…

白い花が咲くように ギリギリと音を立てて 崩れ落ちた思考の破片を 踏みつけて 歩く / 夜道には暗い街灯もなく 色めき立つ横断歩道も 存在しない / すばらしい世界へ ウインカーを出して曲がっていく 自動車たちを 追い抜いて / 私は夜の道を歩く / 思考…

圧倒的な未来が むやみに私を欲情させる 狂おしいほどの選択肢が 私の敏感なところを撫でつける 要するにおまえは 冷気をあび 猿のように 逃げ惑っているだけだ

地下に這うこどもたちが 突如として 凍り始める / 大きく育っていくことを 夢見るほど 自分と自分以外の区別が ついていない のに / 凍っていくこどもたちが 霜柱となり 地面を持ち上げる / 私はそれを さくさくと踏みつけていく 踏みつけなければ 彼らを…

翼手竜

おまえは恐竜とよばれ それから恐竜ではないといわれた おまえは鳥だといわれ それから鳥ではないといわれた おまえは太古の空を制し それから博物館の天井に 吊り下げられた ときには人を食い ときには食い殺された おまえの翼は手であり 手は翼であった 翼…

格別の節制を慰めて

たとえば 昼下がりの高級ホテルのロビーのとなりにある 不必要に広い喫茶店の一杯千円ほどする紅茶を飲みながら キザったらしい髪型と服装をして 臆面もなく嘘であることを露骨に現しながら これから半分詐欺のような商談のために 笑顔をつくることについて …

わたしのはんぶんがなく わたしのはんぶんがわらう / ざんこくなわたしがいきのこる ふかいうみにすむ きかいないきものがわらう / おまえだ / わらうことなく わたしのはんぶんであるわたしは わたしをうたう / こうしてくみあわされた もざいくのわた…