サンタクロースが僕の
枕元に来ることは
なかった

僕の家の屋根の上には
煙突はなく
父も母も
十字架など知らず
したがって僕の夜空には
鈴の音が響くことも
なかった

今日もまた
僕は
夜を突きぬける
列車に乗って
君のもとへ
さびついた言葉を
届けにいこう

夜が明けないうちに
世界がすっかり変わってしまわないうちに
すこしは
気のきいたことが
言えればいいのだけれど