巨人が地面に手をついたように
プラタナスから
落ちてきた枯れ葉が
アスファルト
影をつくる

カラカラに乾いて
風に吹かれる
おおきな手を
見ながら
私は150円で買った
甘い水を
飲んでいる

おまえに生きる価値はあるか
という問いは
意味を持たない
なぜなら
生きる価値という言葉に
意味がないからだ

誰もが
秋を迎え
枯れ葉は
樹に捨てられる
春を迎えるのは
限られたものたちだけだ