白い花が咲くように
ギリギリと音を立てて
崩れ落ちた思考の破片を
踏みつけて
歩く

夜道には暗い街灯もなく
色めき立つ横断歩道も
存在しない

すばらしい世界へ
ウインカーを出して曲がっていく
自動車たちを
追い抜いて

私は夜の道を歩く

思考の破片は
タンパク質の靴底を突き破り
透明な血液が
にじみ出て
足跡を
連続した嘔吐のように
つけていく

これが私の歩いた道です

突然
友人が失踪する
何も言わず
ただ消える

私は歩く
無情なる世界に嘔吐しながら
私は歩く

そして私も消えるだろう
私の嘔吐も消えるだろう

空しくはない
無意味でもない
そこにはなにか
なにかがあるのだ