パンドラの箱をあけて
驚愕する君
誰にも知られないように
上手に夢を語らなくてはならない
 
希望に満ちあふれた世界
雲一つない空から
目映いばかりの光が注ぐ
 
隙間だらけの
この身体に
石とも波とも知れぬものが
砕け散る
 
君から砕け散る破片を
僕は受けとめよう
君の閉じた箱を
ふたたび抉じ開けよう
 
カギなどいらない
ただ絶望を持って
光だらけの地に
影をなぞろう
 
自分を騙す事などないのだ
その過ちを隠す事などないのだ
君はパンドラの箱を開けてしまった
驚愕したとしても
それは君のせいじゃない
 
ゆっくりと
太陽が昇っていく
君の影が
僕の足下までやってくる
 
泣きたいならば泣けばいい
泣いて涙に存在理由を与えよ
 
そして僕は
君からやってくる放射線をあびて
不治の病になろう
 
僕は泣かない
僕の涙はすべての絶望によって
君へと捧げられた
 
だからもう
だれひとり騙す事などなく
泣いて涙に
存在理由を与えよ