決して僕をお赦しなさいませぬよう

降り出した雪が
僕の肩に積もってゆく
街を白く染めながら
雪は静かに舞い落ちてゆく
 
捉えられない思いを抱えながら
僕は白い雪に
足跡をつけてゆく
 
ひとりぼっちだということ
ひとりぼっちじゃないということ
 
傷つけてしまうということ
傷つけられてしまうということ
 
そのひとつひとつが風にふかれ
僕の肩に積もってゆく
 
だれかにありがとうと言おうとしても
この道には誰もいない
 
さようならを言おうとしても
この空には届きはしない
 
抱えられない思いを引きずりながら
僕は白い雪に足跡をつけてゆく
 
白く染まる静かな街に
黒い足跡をつけてゆく
 
神よ
 
僕をお捨てになった神よ
 
もし僕をお救いになろうと
お考えならば
決して
救いの手など
さしのべてくださいませぬよう
 
白い
白い
あたたかい絨毯のような
この白い雪の上を踏みしめてゆく
僕を
決して
お赦しなさいませぬよう
 
汚れを恐れることなく
歩き続ける僕を
決して
お赦しなさいませぬよう